2014年10月26日日曜日

60歳から写真スクールに通い始める人生


定年退職して、セカンドライフを満喫しているKさんは私の先輩。
2014年はベニス、ローマを始めとした世界クルーズの他、数回の海外旅行を奥様と楽しんだそうだ。

某出版社時代には広告セクションに身を置き、カメラメーカーも担当していた。30年以上も仕事をさせていただいている私にとっては人生の師であり、頼れる先輩である。

海外三昧の旅行にカメラを持って行き、そこで写真を撮り、悦にいり、自分の撮影した写真を付き合いのある出版社に持ち込もうなんて想像していたらしい。

しかし、自宅で思い出に浸ろうとして、写真を見たら、自分の写真の下手さに愕然とした。なんなんだ。これは!となった。自分が想像していたのとは全く異なる写真のようなものが写っていた。と先輩はいっていた。

カメラのせいにしようとしたが、さすがにカメラの性能の素晴らしさは理解できた。
サラリーマン時代、あれだけ、カメラメーカーの広告セクションの人たちと『あーでもない、こーでもない』と偉そなことを宣(のたまう) ってたのに、その自信は無残にも打ち砕かれたそうだ。

K先輩から連絡をもらい昼飯を食べた。いきなりこんな挨拶から昼の蕎麦屋の一杯は始まった。

『とりあえず昼から乾杯。』

当然 私は午後も仕事だ。

『君の教室 シニア大丈夫?』

シニア大丈夫って…

『Kさん ですか?』

『まぁね。60の手習い、どうかなって。時間は余るほどあるしさ。』

そりゃまぁ 60歳以上の方もたくさん通ってくださってますし…。

『ちなみにどうして急に写真教室に入校なんですか?』


『そりゃ 城だろ。』

城…お城の城ですか?

『そうだよ、城は城しかないだろ、城を上手く撮りたいんだよ。

構図とかな』


構図…


『あ、そう じゃあ  通わせてもらうわ、よろしく、授業料振り込むから 』

これで当校への入校が決まったのである。


先輩のアフターリタイアをみて
金は使わなければ貯まるが、時は使わなければ消えるだけだなとナゼか思った。

別にそれほど過剰じゃなくてもいいけど、享楽的に生きられる人は強いし、パワーがある。
この世代はやっぱりパワーがある。

先輩は過激でもないけど、常に前向きだ。過激な人はなぜか楽しい。



※写真 教室からほど近い江戸城跡 撮影 by 先輩

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